(ブログ記事のリンクから来た方向けのネタバレ記事です。)↓
原作の「深夜の見回り」で登場するシャドー:通称「ローブ様」は、この時点では自ら「敵でも味方でもない」と言い、エミリコたちに何をするでもなくついて回る。
ただでさえ見えないシャドーの顔を深いフードで隠していたり、声が変だったり、エミリコたちが「余計なことを考える」のを「面白い」と評価したり……
登場したのは「深夜の見回り」での一回きりだったにもかかわらず、シャドーハウスの真相を知っていそうなキャラとして強いインパクトを残し、原作では「お披露目」後の大きな謎としてしばらく君臨した。
これまで疑問なく「顔」としての役割を果たしていたショーンも、このローブ様と関わったことで「調子を狂わされた」とお披露目で失敗する描写もある。
漫画版ではかなり後になって、ローブ様の正体はマリーローズ(ローズマリーのシャドー)だったと種明かしをしている。
その結論に至る過程で、バービーとローズマリーが同期だったとか、(この後の)亡霊騒ぎの犯人がマリーローズたちだったとか、色々と面白い事実が明らかになってくる。
おそらく、アニメ13話分の枠ではそこまで語りきれないので、削られたのではないかという見方が多数だろう。
ローブ様がいなくなったことで変わるのは、この辺りの経緯だったり、お披露目以降にちょくちょく挟まる「ローブ様は一体何者?」とエミリコたちが思い出すシーンだろうか。
ここから原作への考察になるが……
注:以下は原作7巻までの情報を元に構成しています。
私は、このとき出会ったローブ様がマリーローズだったというのはミスリードで、実はアンソニー(またはクリストファー)だという説を推したい。
その根拠となるのは、「今回の新人たち……また会えるといいなぁ」でローブ様が作り上げていた"亡霊"だ。「ローブ様」だと正体を明かしたマリーローズはすす量が少ないはず。しかしあの亡霊は、比較的多いすす量で作られていたように見える。
マリーローズが見せた証拠のピオニーの花も、こびりつきによる上げ底も、偽装しようと思えばできたことだ。また、マリーローズの退場後、アンソニーが意味ありげにローブをまとって登場したのも気になる。
では、マリーローズが「ローブ様」のフリをしなければならなかった理由は?
それは「クリストファーが生きている/またはアンソニーにすす能力がある」という事実をケイトたちに隠すためではないだろうか。「クリストファーが自害した」というのもマリーローズの証言だけだし……。
では、アンソニーは一体化済みなのか? もしくは一体化のほかに「すす能力を使える人間」がいるという伏線なのか……?
マリーローズは全てを語らず、行ってしまったように思えてならない。
ということで、アニメでローブ様が登場しなかったのは、マリーローズ絡みのネタを語る尺がないからというより、「(OPやEDにすら出ない)アンソニーの存在がアニメで消えているから」ではないかと予想する。