アニメ「シャドーハウス」第13話「シャドー家のために」考察・感想

第13話、最終回。光の表現で読み解くアニメシャドーハウス-ケイトとエミリコの見た朝日は、真の希望。

週刊ヤングジャンプにて連載中の「シャドーハウス」(ソウマトウ)アニメ。キャプチャの代わりに毎話イラスト付きでシャドーハウスアニメを語るブログ。今回も、感想とアニメオリジナル展開についての考察、放送応援ファンアートを掲載する。

エミリコ誘拐を発端とする一連の事件が完結。同期の、そしてこどもたちの絆は、シャドーハウスの日常を取り戻すことができるのか。

!注意!ここから、アニメ13話、原作4〜5巻のネタバレが含まれています。

第十三話「シャドー家のために」

あらすじ

「おじい様と共にある棟」でついにエミリコと再会したケイト。しかし、それは二人を一網打尽にしようとするエドワードの罠だった。

捕えられてしまった二人を助けるため、「おじい様と共にある棟」に忍び込んだジョン。しかし、エドワードの同期であるジェイ(ジェラルド)とエリー(アイリーン)に見つかってしまう。

絶体絶命と思われたその時、不思議なモーフがジョンを導くのだった。

シャドーハウスの頂上で手を取り合うケイト/エミリコが輝く朝日に包まれる、最高のクライマックス。

作品を通してずっと空が曇っていて、昼間もうす暗い世界観だった意味がやっと分かった。

この作品で輝く自然光が表現されたのは3回。エミリコはじめての大掃除の日、天窓越しの光。ケイトとエミリコの見たこの朝日。そして、追い詰められたエドワードを照らした天窓越しの光だ。

シャドーハウスはシャドーにとっても生き人形(人間)にとっても牢獄で、そこに幸せなんてない。少なくともケイトはそのことを知っている。だから、彼女から見たこの世界は暗がりの中に閉ざされている。

でも、シャドー家に仕える"幸せだと思い込まされた"生き人形たちは、シャドーハウスの窓越しの「輝き」を浴びて、偽りの希望の中で生きている。

そして13話、この最終話で、ケイトはエミリコと手を取り合って、ついにシャドーハウスの外で朝日に照らされる。それは本物の輝き--「黒い飲み物」に与えられたものではない真の希望だ。

そしてその輝きは、こどもたちの棟の天窓を通してエドワードを照らす。それがシャドーハウスの中の偽りの光であっても、確かに、こどもたちを脅かす存在を白日の下に晒したのだ。

アニメ一期13話は、一言でいえば

シャドーハウスに身も心も閉ざされたケイトが、偽りの希望に生かされていたエミリコへの支配を断ち切って真の希望に至りまたシャドーハウスの日常に戻ってくる」という物語だった。

シャドーハウスという不思議な世界観/「ケイトとエミリコ」という宝石のような関係性をアニメとして昇華させ、かつ原作の物語を破綻させない、素晴らしい着地点だったと思う。

同期と星つきたちが頼もしい。MVPはジョン様と「最後の一対」!

きっちり全員に見せ場のある最終回は素敵だ。

ノリと勢い感は否めないものの、最後はしっかり突破口になってくれたジョン様。

何度もケイト様やジョン様たちの窮地を救ってくれた"リボンのモーフ"。めちゃくちゃ動く、かわいい。

身を挺してケイト様とエミリコの着地をサポートするショーンとリッキー。そしてこの二人を朝までエスコートしてくれたパトリック様。(能力がないことを謝る姿は、原作既読者には新しい。)

そして、やっぱり美味しいところを持っていくルイーズとルウ。

ラストの星つき勢ぞろいは嬉しい演出だった。OPで毎回意味ありげなシルエットを見せてくれた割には出番がないと思っていたら、ここぞというときに……!

最後はローズたちとミア/サラも揃ったことで、日常に戻ってきた感がぐっと増した。

エドワードの敗因は慢心……だが、まだまだ底の知れない男。

少し残念だったのは、エドワードの詰めの甘さ。

正直、ニヤニヤしたり焦ったりするばかりで「すす能力」を使おうとしないエドワードに違和感を持った。

あのパワー系ジョン様を(一時的に)拘束したジェラルドや、「遠隔操作のすすバトで人"二人"運ぶ」というヤバ過ぎるスーパーすす能力を見せてくれたアイリーンと比べ、ほぼ声変えて遊んでただけのエドワード君。

さすがに、物語に都合よく無能になってしまったキャラという印象。それが、専用EDという特別待遇の代償だった……?

そんなエドワードにも深い愛情(?)を示してくれた、偉大なるおじい様

むしろ、3階のシャドーが考えていたこと--こどもvs大人の内輪揉めで一体化シャドーを追放なんて、見てる方としてはそれこそあり得ない気がするのだが……

3階のシャドーとしては、シャドー家全体の利益よりも、下剋上を狙うエドワードを厄介払いすることの方が重要だったのかもしれない。

そう考えると、3階のシャドーよりも、(功名心からとはいえ)実は本当に反乱分子であるケイトに疑いを持ったエドワードの方が、シャドー家への忠誠は高そうだ。

彼はただの中ボスに見えて、意外とハウス側の重要人物になるかもしれない。ジェラルドとアイリーンのまだ付き合ってくれそうな苦笑いも良かったね。

アニメのラストシークエンスは、第一話の繰り返しだった。その後、ショーンたちが「仕事の歌」を口ずさみ、シャドー家への感謝を口にしたエミリコが目を閉じてエンド。

全てが元鞘に戻ったように見えて、今のケイトとエミリコの心の中にはあの朝日が輝いている。

彼女たちにはまだ、全てをくつがえすほどの力はない。でも、ここで逃げ出すわけにはいかない。

ケイトがこの牢獄から全てを解放するまで、物語は続くのだから。


13話放送記念イラスト(ファンアート)はこちら。Twitterに投稿したもの。アニメ関係者の皆様お疲れさまでした!

第四話ファンイラスト
最終話で活躍した星つき

Blu-rayも注文したので、届いたら後日レビュー記事を投稿したいと思う。

→アニメ「シャドーハウス」Blu-ray 第1巻レビュー後日更新


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